【NiceなJoke】 ケビンにされなくてよかった
話題の彼女は年齢的にも全く関わったことがない人だが、いちおう大学の学部の後輩なので、私も苦々しい思いを持っている。
それはさておき、昔、大学で教えていたときに、「すごい経験の持ち主」の女子学生が入学してきた。
入学後、どういうきっかけだったか忘れたが、私の研究室に毎日のように出入りするようになった。当初は本を借りに来たり返しに来たり、という程度だったのだが、だんだんと、いろんな話をするようになった。どちらかというと彼女が淀みなく繰り出す話を私が一方的に聞かされているという状態であったが、彼女の話を総合すると彼女はものすごいハイレベルな経験をもつ超絶的エリートに位置づけられるので、そんな人物がよりによって某有名予備校が「希望の星大学」とランク付けした呼んだような大学に入学したのが不思議だった。
教員(指導者)は、「性善説」で学生に対するものだと思っています。
そうこうするうちに、話のしかた、授業での様子から、優等生風に振る舞っていても「超絶的エリート」ではないことが分かってきたので、彼女の話には相当な脚色が入っているだろうなぁと話半分、話1/4、話1/10、、、で聞くようになっていた。ある日「会議で訪れた○×大臣をロードスターの助手席に載せてA地点からB地点まで(=200kmくらいの道のり)をドライブした」という話を聞いて、事実の脚色ではなく、そもそもフィクションなのだと思い直した。
しかし、研究室にはちょくちょく顔を出していた。
当時の教員の中では私が最も偏差値ランクの高い大学院出身であったので、エリートでありたい彼女は私を何らかのターゲット(?)としたのかもしれないなぁ、と思わないではない。しかしケビンにされなくて良かった、、、、、いや彼は自ら「ケビン」を名乗ったのだったか。
ある出来事で私はケビンの座(?)を追われ、一気に裏切り者になったようだ。あるとき研究室で進行中のプロジェクトのメンバーと顔をつきあわせて図面を前に議論していた。メンバーは男女混合で通常は男子の方が多かったのだが、そのときはたまたま女子学生だけだった。つまり男女比からはハーレム状態であったわけで、なおかつ寒い時期だったので、暖房のためにドアを閉めていた。そこに突然ドアを開けた彼女は、恐ろしい目でにらんですぐに立ち去った。(そういえば、彼女がその場で一人きりの女子学生になれない状況では研究室に長居したことはなかった、、、彼女はプリンセスでありたかったのかな。とにかく私としては彼女を拒む理由はなかったし、拒んだらその後が怖いのではないかという気持ちもあったので、研究室への来訪を拒んだことはしなかった。)
そのしばらく後のことだったと思うが、彼女も交えて数名の男子学生たちと談笑していた。彼女は相変わらず荒唐無稽な話を繰り出していたので、彼女のことをよく知らない男子学生たちは、彼女が冗談を言っているのだと受け止めていたようで、冗談として話を盛り上げていった。その結果、彼女が話題の中心になれない時間が数分続いたのだが、突然彼女は怖い目をして「今日は帰ります」と言って、研究室を出ていった。
その日の深夜、彼女のごく身近な人物から電話がかかってきて、わけのわからないことに対して謝罪することを強要された。電話をかけてきた人物の話は、起きていない事実を説明するものだったのだが、とにかく謝っておいた。それ以来、彼女は私の身近には出没しなくなった。それからずいぶん後にこのことに関してとんでもない話が耳に入ってきて驚いた。彼女の卒業によって、自分としては一件落着。
さて、新聞やインターネットの書かれたことから得た伝聞にすぎないが、いま話題の彼女の立ち振る舞いは、上記の、私がかつて経験した学生と似ているような気がしている。
これに限らず、この出来事においては、私が過去関わった心地よくない出来事に似たことがいくつか起きていて、全部Jokeだったらありがたいなぁと思ってNiceなJokeカテゴリーにこの記事を入れることにしました。