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Archive for the ‘CADとかBIMとか’ Category

【CADとかBIMとか】Wikipediaのヴォールトの説明

必要があってWikipediaのヴォールトの説明を見たところ、思わずクスっとしました。嘲笑ではなく良い意味での笑いです。

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どこで笑ったかというというと、

「ヴォールトとは、アーチを平行に押し出した形状(かまぼこ型)を特徴とする(以下略)」

「ヴォールトは、アーチ断面を水平に押し出したものである。」

という部分です。

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形状を幾何学的に説明する場合は上記で差し支えないし、CADで作る場合に「押し出し(Extrusion)」を使えば良いという説明にもなっています。3Dプリンタで作る時も説明のようなやり方になるでしょう。ありがちな建築史や構法の側面からの作り方ではなく、とても現代的な(ヴォールトの長い歴史から見ればたいへんに進歩的な)作り方が記されている点で、思わずクスっとしてしまったわけです。この項目を書いた人はなかなか素晴らしいです。

私には「ヴォールトとは、アーチ形の断面をもつ構造体で云々」のような表現の方がしっくりくるのですが、それは私が旧石器時代の人間だからなのかもしれません。

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以下、私のYouTubeチャンネルより、ArchiCADとVectorworksによるクロスヴォールトの作り方です。

 

なお、Vectorworksの動画は『CADリテラシー演習』(エーアンドエー発行)の高等ドリルの説明として、Vectorworks 2008くらいの古いバージョンで作成したものです。

 

【CADとかBIMとか】ArchiCAD初心者用のブログ立ち上げ

以前から作りたかったArchiCAD初心者用のブログをようやく立ち上げました。

https://archicadnotes.wordpress.com/

数年前からYouTubeで操作例の動画を公開しています。いつのまにか動画数が250を超えていて、YouTubeだけでは、それぞれの意味合いや、関連が見えなくなりがちなので、ブログでまとめることにした次第です。

ArchiCADユーザさん、どうぞご覧ください。

 

カテゴリー:CADとかBIMとか

【CADとかBIMとか】 結局JW_CADの図面は、、

25年くらい前はJW_CADをよく使っていた。貧乏人でも入手でき、かつ、当時のPCの性能で満足に動くのはJW_CADしかなかったので、CADを使いたい場合の唯一の選択肢だった。

その後、3D-CAD、BIMとCADソフトの推移とともに私のメインのCADも変遷し、もう15年以上、JW_CAD を含めた製図専用CADをしっかりと使ったことはない。

久しぶりにJW_CADで他の人が描いた図面を扱う必要が生じて、あらためて嘆息したのはJW_CAD は印刷時の表現しか考えない使い方がほとんどだということである。線の太さを色分けしただけの図面で、レイヤーの意味を捉えた使い方がなされているケースが少ないのである。

もちろんJW_CADは製図板と製図道具をソフトウェアとして実現したにすぎないから、図面の見た目(=印刷時の表現)だけを考えることを問題視する必要はない。レイヤーをどう扱おうと、同じ色の線は同じ太さで印刷されるから印刷結果だけが目的であれば十分だが、そればかり考えて作られたデータはデータベースとして美しくないし、BIM に持ち込んで処理することを考えると途方に暮れる。

BIMソフトを使ったり教えたりするようになった今、JW_CADで製図ではなく設計を教えようとしていた25年前ごろの私は相当に無謀だったと思う。当時は、レイヤーの意味づけを強く強調していた。

今回、久しぶりにほんのちょっとだけJW_CADを使ったが、ズーミングやスナップのハンドリングの良さは相変わらず快適で、製図CADとしての完成度の高さにあらためて感心した。

JW_CADは、CADの系統樹のひとつの枝の先端に実った美味しい果実であり、BIMはこれとは違う枝に実る。BIMの枝はまだまだ伸びていくが、JW_CADの枝はもう伸びることはないだろう。

カテゴリー:CADとかBIMとか, 教育

【教育】 BIMを使わない人に対する暴論

以下、私は正しいと思っていますが、詳細な説明を書かないので暴論だと思われてもやむをえないと思います。また建築関係者で下記に反発する人も多いでしょうが、そういう人は、時代が異なれば製図CADにもロットリングにも反発するような精神の持ち主だと思います。

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いまどきBIMを教えない建築系の高等教育機関があるとすれば、その教育機関の教員は何も考えていない。

建築設計の仕事に就きたい若者たちよ、そんな学校を目指してはいけない!

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BIMが難しいという人は、仮に製図が上手かったとしても、設計が分かっていない。

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とりあえずここまでにします。

 

カテゴリー:CADとかBIMとか, 雑記

【CADとかBIMとか】 BIMは何からはじめたらいい

「BIMは何からはじめたらいい」という検索語でこのブログに来た人がいたので、、。

BIMでつくるデータは建築物そのものを表すので、建築物の成り立ちを知ることから始めましょう。(BIMを使っていると建築全体、建築プロセス全容がなんとなく分かってくるので、高等教育機関で1年くらい建築を学んでいれば十分だと思います。あとは一般的な想像力を鍛えることと、デザインの概念を学ぶこと。)

BIM利用の初期段階では、図面を描くという意識を捨てて模型を作るのと同じ感覚で練習することが大切です。(一般にCADやBIMの中では重力が働かないので、たとえば3階→1階→2階というように、高さに関係なく、どの位置から作っても大丈夫です。要するに主要階から始めればいいですよ、という当たり前のお話です。1階が主要階であるとはかぎらないですから。)

いまだにBIMを特殊な道具だと思っている人が多いようですが、建築物から見れば図面を描くよりBIMでデータをつくる方が自然です。BIMでデータ(正しくは建築情報)を構築することに慣れてくると、図面というのは建築情報を紙と鉛筆という二次元媒体に落とし込むために、ずいぶん無理をした表現であることが分かるでしょう。無理をしているので情報の欠落も生じがちです。情報の欠落というと高級そうに聞こえるかもしれませんが、データが壊れた紙を破ったが同レベルの失敗を示すように、情報の欠落設計者の不注意による間違いにすぎない場合がほどんどでしょう。そしていくら注意していても不注意を生じやすいのが図面を書くという行為です。

BIMを使うとき、図面は<副産物>であって<目的>ではないので、そこのところを意識しておかないと「BIMで図面を描く」という大変に間抜けなことをやってしまいます。電卓で計算した結果の数値をEcxelに打ち込むより、ずっと愚かな行為です。

「図面なんてものは二次元媒体しか使えない時代にやむをえず発展した表現法だから時代遅れである!」、、、、という意識が、BIMを使うときに重要だと思います。

未だに二次元媒体時代に取り残されている人は、素人相手に立面図を見せながら「窓の高さを揃えましょう」とか口走ります。そもそも今の時代に立面図なんてものを素人相手に提示しているようではダメですね。プロとして勉強不足。

 

カテゴリー:CADとかBIMとか

【CADとかBIMとか】 わりと直感的に土地や部屋の広さを把握できる方法

タイトルは大げさですが、、、、。

部屋や土地の面積が「㎡(平方メートル)」や「坪」で示されていると直感的に広さを掴みにくいようですが、日本人の場合は、畳数で示すと掴みやすくなるようです(とりあえず学生さん相手には確認済み)。

おおざっぱに言うと、一坪=約3.3㎡=2畳で、この関係を頭に入れておくと、直感的な面積の把握が楽になります。

さらに、こう覚えておくのも良いです。

3坪 = 約10㎡ = 6畳

 

ただし、ここでいう一畳は 1820 mm × 910 mm のサイズです。現実的には、住宅で使われる畳はもう一回り小さいので、2畳=3㎡くらいで捉えてもOKです。

ところで、シングルサイズのベッドの平面サイズを一畳のサイズで作図する人がいますが、ベッドはもっと長いのが一般的です。

 

カテゴリー:CADとかBIMとか

【CADとかBIMとか】 ミリメートルとメートルの換算

情けない話ですが、高等教育機関の学生さんでもメートルをミリメートルに換算できない人がいます。この記事へのアクセスが増えないことを願いつつ、記します。

メートル → ミリメートル

メートルの数値の右側に「0 (ゼロ)」を3つ付けてください。

  • 1 m → 1000 mm
  • 30m → 30000 mm

 

ミリメートル → メートル

右から3つ目と4つ目の数字の間に「. (小数点)」を付けてください。

  • 1000 mm → 1.000 m (= 1m)
  • 56789 mm →56.789 m

数字が4つより少ないときは、数字が4つになるように左に「0」を付け加えてから、小数点を付けてください。

  • 300 mm → 0300mm → 0.300 m → 0.3 m
  • 75 mm → 0075mm → 0.075 m
  • 8 mm → 0008 mm → 0.008 m

 

km <-> m の換算も同様の方法でOKです。

「g (グラム)」、「L / l (リットル)」 も同じやり方でOKです。

 

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【教育】 今年度も授業が終わった

非常勤でCADを担当している某専門学校の今年度の授業が終わった。

ほぼ1年間、ArchiCADを教えたわけだが、当初は、壁というのは2本の線であり、平・立・断は別々に描くものだという意識を持っていた学生たちも、壁とは最初から高さ、材料、仕上げなどを考えて設計することを身につけ、また、2次元図面と3次元表示の間を自由自在に行き来できるようになった。

BIMは建築教育のための至上のツールである。

一方で、ツールを活かすためのカリキュラムづくりが重要である。

もう何年も前の第1回BIMミーティングで、BIMを軸としたカリキュラム策定を提案したが、教えれば教えるほど、そのことの正しさへの自信がどんどん高まっていく。

カテゴリー:CADとかBIMとか, 教育

【CADとかBIMとか】 Cadalystの風刺画が面白い!

http://www.cadalyst.com/listing/45/cad-cartoons

ベンダーさんは、ぜひ、これをご覧あれ!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://www.cadalyst.com/cadalyst/cad-cartoon-21505

訳してみると

いま、「うちの事務所で起きたことゲーム」をやってるんだ。

「ソフトは毎年バージョンアップされるけれど、何か役に立つことがあった一番最近のアップグレードはいつ?」

「2006年かな?」

「2010年かな?」

「1998年かな?」

【CADとかBIMとか】画像として取り込んだ地図の縮尺合わせに必要な考え方

※VECTORWORKSを使った場合の具体的な操作手順は、『VECTORWORKS ベストテクニック 100』に記しています。どうぞご覧ください。(2018/4/30)

※以下に記した程度(小学校で教わる算数の範囲内)のことを自力で考えられず、他人に頼るような人は日常生活のいろいろな局面で困っているだろう気の毒な人々だと思いますが、なぜだかアクセスが少なくないので Excel の練習という意味合いで計算表の作り方を追記しました。(2014/7/21)

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1/2500の地図で、A地点からB地点まで測ったら1cmだった。A地点とB地点の実際の距離は何m?

という小学生向けの問いに即座に答えられない高等教育機関の学生さんがたくさんいます。非常に残念な事態ですが、下のような式を示しながら説明します。これはそれなりに理解しやすいようです。

1 cm × 2500 = 2500 cm = (2500 ÷ 100) m = 25m

ところが、下のような設問はハードルが高いようです。

縮尺不明の地図で、100mと記されたスケールバーを実測したら 36mmだった。

では、この地図の縮尺を1/2500にするためには、何%拡大(あるいは縮小)すればよいか?

これはCADに取り込んだスキャン地図やコピー機の拡大縮小機能で縮尺合わせするときに必要となる考え方で、計算だけなら小学4年生程度でもできます。計算だけでなく割合についての知識も必要で、遅くとも小学校高学年で学ぶはずですが、もし学校で何も学ばなかったとしても日常生活のあちこちで使っている考え方です。

上記を求めるための計算式は、100 × 1000 ÷ 2500 ÷ 36

【重要!】
正しく計算しても、縮尺が1/2500ピッタリになるわけではありません。ほとんど1/2500になるだけです。なぜなら、実測値(自分で測った長さ)、元の地図ともに誤差が含まれるからです。

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※Excel を持っている場合は、下記のような表を作っておくと便利です。
下図は、B1セルに「5」、 B2セルに「100」、 B3セルに「100」を入力した状態を示しています。一般にコピー機での拡大縮小で百分率(%)には慣れているだろうから、ここでは最終的な答を百分率で示していますが、百分率(%)にしなければならない理由はありません。セルの書式設定ダイアログは、当該セルをクリックして選択後、Ctrl+1を押して呼び出します。

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004_セルの書式設定

カテゴリー:CADとかBIMとか, 教育
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