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Archive for the ‘雑記’ Category

【雑記】非常勤先のGoogle Classroom用バーチャルマシンをLinux Mintに戻した

非常勤先でのGoogle Classroom関連処理用にバーチャルマシンを仕立てていて、当初はLinux Mintを使いその後Enso OSに変えていましたが、再びLinux Mintに戻しました。

Enso OSに変えた主たる理由は、非常勤先のドライブの空き容量の問題であり、Enso OS独自の特長を重視したのではありませんした。数か月使ったEnsoOSには何の不都合も不満もありませんでしたが、Mac風の画面配置には馴染みきれませんでした。タスクバーが上にあるのは大丈夫ですが、ウィンドウを閉じたり最小化したりするボタンがウィンドウ左上にあるインタフェースは好きになれません。ウィンドウを閉じるときなど、無意識にカーソルを右上にもっていって、それから左に動かすという無駄な動きをしがちです。Macをメインに使っていた時期もAction GoMacというインタフェースをWindows風にするツールを使っていたくらいで、これらボタンが右上にあるインタフェースが私には合っているようです。トラックボールを使っているので、カーソルを左にやるより右にやる動きの方が親指の動きとして自然なのも関係しているかもしれません。

このトラックボールの場合、速く大きな動きは左→右と上→下、ゆっくり小さく正確な動きは右→左と下→上がうまく行く感じで、それを体が無意識のうちにやっちゃっています。たとえば、テキストを選択するときは、開始点でクリックしてから終了点を行き過ぎるところまで左→右と上→下の動きで素早く選択し、そこから右→左と下→上の動きで適切な位置まで正確に戻すという操作を無意識にやっています。その方が、左→右と上→下の動きだけでやるより速くて正確です。人間の手は左右対称ではないから、左⇔右と上⇔下の動き方の違いによって適した操作が異なるのは当然と言えば当然ですね。

さて、勤務先でのドライブの空き容量問題が解決したわけではありませんが、新学期開始を機に再び最も手に馴染むLinux Mint(Cinnamon)に戻しました。インストールに必要な容量はLinx Mint(Cinnamon)は20GBですが、インストール直後の実際のバーチャルドライブのサイズで言えばLinux Mint(Cinammon)はEnsoOSより2GBほど大きいだけなので、バーチャルドライブが肥大化しないように使おうと思っています。またUSB 3であればUSBメモリから本体へのバーチャルマシンのコピーが数分で終わるので、出講する度にコピーし削除してから帰宅するのも大した負担にはなりません。

なお、起動時間はLinux MintよりEnso OSの方が微妙に速いですが、取り立てて言うほどの差ではありません。起動後の速度は同等であり、インタフェースへの馴染み方の点でLinx Mintの方が無駄が少ないから、同一処理に対する所要時間の短さはLinux Mintの勝ちということになります。

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【雑記】ドライブレコーダーを新調(DVR-MR760)と使えたmicroSDカード

車の入れ替えに伴い、ドライブレコーダーを新調しました。

前の車にはドライブレコーダー(Kenwood KNA-DR300)を付けたのは7年近く前で、その後、娘が免許を取ったので、あおり運転対策としてリア用にAKEEYO AKY-R1を増設していました。この車自体大好きで、2つのドライブレコーダーも良い製品で、気に入っていて、数年はこの車に乗り続けるつもりでした。ところが、先日、とある事情で別の車を譲り受けることになりました。そこで前の車は甥にジェットバッグや上記のドライブレコーダーを付けたまま譲り、新しく譲り受ける車には2カメラのドライブレコーダーを新調することにしました。

あおり運転が大きな社会問題になってきた結果、フロントとリアがセットになった製品が増え、選択肢が広がっています。KNA-DR300を買ったころと比べるとメーカーも増えていますが、これまで継続的に使ってきたKenwood製品からレビューも口コミも見ずにDVR-MR760を選びました(Kenwood製ドライブレコーダーを二台使ってきた結果、Kenwoodなら絶対に大丈夫と考えています)。前の車のとき自分で取り付けてシガーソケットから電源を採っていましたが、今回はバッテリーに直結できるケーブルCA-DR100を買って、整備工場で取り付けてもらいました(定期点検のついでだったので取り付け料金はサービスしてもらえました)。

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DVR-MR760には32GBのメモリが同梱されています。しかしDVR-MR760は前後2カメラで、それぞれが同じ画質で保管されるため、フロントカメラだけの場合の2倍の勢いで記憶領域が減っていきます。私は免許返納後の楽しみにドライブレコーダーの映像を残しているので、32GBの場合の常時録画&標準画質(※)の録画時間63~79分ではちょっと出かけるだけなら良いのですが、少し遠出するときには全く足りません。幸いとDVR-MR760は公式に128GB(常時録画&標準画質の録画時間255~319分)まで対応するので、さっそく手持ちの何枚かで試したところ、下記で問題なく録画できました。

(※)「標準」と呼ばれる録画モードがフレームレート27.5で最高画質です。録画時間を増やしたいときは、「長時間1」(フレームレート13.7)、「長時間2」(フレームレート3.45)という録画モードを選べます。取扱説明書に基づけば、標準の録画時間に対して、長時間1は2倍弱、長時間2は5倍弱の録画時間になります。各録画モードの違いはフレームレートなので、長時間モードにしても滑らかさが劣るだけで解像度が落ちるわけではないので、万が一の記録用としては標準添付の32GBで長時間モードで十分であろうと思われます。

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さて、KNA-DR300DRV-630では公式には非対応であった128GBのmicroSDカードが使えていたので、DVR-MR760でも公式対応より大きな容量でもいけるだろうと短絡的に考えて、下記の256GBのmicroSDカードを買ってみました。

電源オン時に「非対応のSDカードです」というメッセージが流れますが、今のところ(といっても購入後数日の時点では)問題なく使えています。

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なお、上記全てのmicroSDカードにおいてSDカード情報に「推奨外のSDカードです。」と表示されるので(下の画像)、ちょっとだけ気持ち悪いです。しかし、旧機種で数年以上問題ないので、今回も大丈夫だろうと、たかをくくっています。

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なお、以前使っていたKNA-DR300DRV-630では5分単位でファイルを保存できましたが(1ファイルあたり前者は500MB程度、後者は600MB程度)、DVR-MR760で標準解像度で録画すると自動的に1分単位になるので(1ファイルあたり120MB程度)、ファイル数が膨大になります。

またDVR-MR760はフォーマット時点で領域を割り当ててしまうようで、PCで見ると残り容量がわずかしかない状態になっています(たとえば128GBの場合は十数GB)。この点もKNA-DR300DRV-630と異なる点で、最初は目を疑いました。前後2カメラなのでディレクトリ構造も異なるので、PCにコピーした後の処理に少し手間がかかります。

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DVR-MR760の映像は、ドライブレコーダーの本来の役割として十分綺麗です。

フロント部の液晶画面は前後のカメラをスイッチひとつで切り替えられるので、私は常に後方を映すようにしています。レンズが前後共に対角150度の広角なので、通常の車間距離を確保した状態では前方の車も後方の車もかなり遠くにいるように感じられます(一般的な車間距離を確保すると、画面幅に対して車の幅は1/10より小さいです)。画面中の車の幅が画面幅の1/4~1/5程度に見えるときは、信号待ちの停止時の車間距離くらい、要するにあおり運転された時の車間距離です。この状態で十分にナンバーを読み取れるので、あおり運転対策としては十分です。

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【雑記】犬の飼育費の年間平均が34万!に驚いた

「犬の飼育費は年平均34万円余…(以下略)」というニュースを見て驚きました。というのは我が家の今は亡き愛犬はたぶん年間7万円を切るくらいだったからです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/18c9990583c887eed2f4064568e311f574fe1f7b?page=3

この7万円には予防接種、フィラリア予防薬、ノミ取り、シャンプー、ドッグフードすべて合わせた金額です。大型犬だったのでドッグフードは大量に必要でしたが(7~8kgの袋が3週間でなくなる)、幸いと安いペディグリーでも喜んで食べるので月千数百円で済んでいたと思います。安いドッグフードを与えることに対して眉をひそめる人もいるでしょうが、我が愛犬は一度も病気することなく14歳7ヶ月の生涯を全うしました。

上記の記事からは、34万もかかるのは、過度に贅沢な生活が原因であるように思えました。その点では我が愛犬は質素な食事、質素な住まい(玄関収納に置いたバリケンネルしか与えませんでした。ただし室内の一部と中庭は解放していたので窮屈な生活を強いていたわけではありません。

一方で、犬が来たことにより車を買い替え(ヴィッツ→ウィッシュ)、大型犬を預かってくれるペットホテルは少ないので、ほとんどの旅はウィッシュにバリケンネルを積んでドライブ旅行しました。荷物が入りきらないのでTHULEのジェットバッグをウィッシュに載せました。キャンプ以外の旅行のほとんどで、愛犬は車中で夜を過ごしました(稀にドッグホテルを手配したこともあります)。旅行の準備でバリケンネルをウィッシュに積むと愛犬はあたふたし始めます。そして、バリケンネルのドアを開くと直ちに飛び乗ります。そのまま人間の準備が終わるまで1時間でも2時間でも、ニコニコしながらバリケンネルにこもっていました。

毎年の家内の実家へは往路復路合わせて2~3泊しながらで、走行距離は2500~3500km程度でした。犬連れキャンプにもよく行きました。青森のねぶた祭、四万十川の川下り、我が愛犬は地球一周の距離よりたくさんドライブしたと思います。SA等での休憩を含めると20県くらいにオシッコ跡を残しています。またある時期からは旅先で湧水巡りをしていたので、愛犬は数十か所で名水を飲んでいます。瀬戸内海、日本海では何度か泳ぎ、太平洋では泳ぐまではいきませんでしたが何度も足をチャプチャプしました。

海外旅行を除くと、ほとんどいつでも旅に連れて行きました。そういう点では、ものすごく贅沢な生涯を送った犬だと思います。

なお旅行中に犬だけのためにかかった費用を通常の年間費用に加えても、10万を超えることはなかったと思います。車の買い替え費用、ジェットバッグの値段、キャンプ道具一式など犬連れ旅行だから必要となった物の価格を考えても、我が愛犬の14年と9か月の生涯において年間20万もかかっていないと思います。だから34万という数値にとても驚いた次第です。

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【雑記】食洗機National S46EW2の機内水漏れの修理 

新古品として入手して、丸8年ほとんど毎日使ってきた食洗機National S46EW2の「パワフル」と「スピーディ」が点灯して動かなくなりました。取扱説明書によれば(下の画像が当該部分の抜粋)、原因は機内水漏れ不良で、至急販売店に問い合わせよとのことです。

インターネットで調べてみると、このトラブルの修理には2~4万円かかるようでした。料金の大半はサービスマンの人件費でしょう。だから場合によっては買換えた方が結果としてコストパフォーマンスが高いだろうかなどと考えながら調べていたら、自分でトラブルを解決した方のブログ記事に行き当たりました。

https://ameblo.jp/ep-itaka/entry-12360288020.html

この方の場合は、本体背面のパイプ(※)に亀裂が入って機内下部(5ミリ程度の浅いトレイ状)に水が溜まっていたことが原因だったそうです。私の場合も同様の可能性があり、また修理がパイプの交換程度の簡単な作業だけなら自分でやった方が安くて早いと思って本体を取り出し、本体裏の金属パネルを外して確認したたところ、機内下部のトレイ上位になっている部分が水浸しで、パイプには亀裂が入っていました(要するに上のブログ記事の方と同じ状態です)。

(※)写真はありませんが、本体裏面の金属パネルを外したら出現する、左上部から右下部をL字型に繋げている白っぽい蛇腹タイプのパイプなので、すぐ分かります。

そこで本体をいったん元に戻してから、以下のパイプとホースバンドを注文し、それらが届いた後で改めて本体を取り出してホースを交換したら、無事に復旧しました。本体取り出しに先立って、水の元栓を閉めることと、コンセントを抜くことを忘れないようにしましょう。

パイプ(ホース)

このパイプはお湯が通るようなので、耐熱性のあるものを探しました。蛇腹タイプで適当なのが見当たらなかったので、耐熱性があるシリコン製の普通のホースを買いました。だいたいにおいて1m単位で販売されていますが、実際に必要な長さは40cmほどです。

uxcell シリコーンチューブ ホース ソフトパイプ 耐高温 19mm x 25mm 1M長さ

ホースバンド(ホースをしっかりと止める金具)

ホースの外径(25mm)と値段で探して最初にヒットした下記を買いました。44mmまでの対応なので、かなりごついです。もっと華奢なのでも大丈夫でしょう。また、もともとはホースバンドはホースと本体を接続する2か所のうち低い位置にある側だけに付いていましたが、素人仕事なので2つ買って高い位置にある側にも付けました。

タカギ(takagi) ホースバンド QG426 ホース外径:19mm~44mm 高圧ドライバー締外径19-44

なお、ドライバーを回しにくい位置にネジがあったりするし、金属パネルで手を切る恐れもあるので、電動ドライバーでやるのが良いと思います。私は下記を使っています。コンパクトでわりと狭い部分でも使えるので、PCや電気製品いじりにはなかなか良いです(木工で木ネジを打ち込んだりするにはパワー不足です)。

ブラックアンドデッカー 3.6V 充電式 ドライバー 軽量 コンパクト AS36LN

取扱説明書には販売店に連絡せよと記されているから、上記は簡単な作業ですが100%自己責任で行わなければなりません。

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【雑記】素人相手に型番で語る異世界人

かつて、あるハウスメーカーの設計者向けの教科書を書いたことがあります。その縁でそのハウスメーカーの地元支店の役員さんに請われ、1年間ほど月2回のペースで、その支店の設計担当者を対象したセミナーを行いました。

セミナー出席者は新卒も含めた二十歳過ぎから四十歳くらいまでの設計スタッフたちでした。

教科書を書くことになったのは、それ以前に参画していた大手ハウスメーカー数社のコンソーシアムでのつながりからでした。このコンソーシアムに参画していた本社勤務の中堅どころの開発や設計部署の人たちから「多くの設計者は年を取れば取るほど使えなくなる」という嘆きを聞いていました。本来なら「年を重ねる=経験を積む」とあって欲しいですが、私も何度もそういう人たちに遭遇していたので違和感のない嘆きです。そして上述のセミナーでは甚だしい実例を目の当たりにしました。

たとえば、ひとつの設計図をネタに改善方法を考察する課題では、年長者たちはいきなり「この窓はxxxxxがよい」、「いや、yyyyyの方では?」のように型番を口にし始めます。私はそのメーカーの型番と仕様の関係は知らないし、若手もまだまだそういう知識が乏しいので、年長者の言うことが分かりません。型番と仕様を学習すれば解決するという意見もあるでしょうが、少なくともこのセミナー参加者の共通用語ではないので、使うべきではありません。必要なのは「この窓は腰高にして転落防止に配慮しよう」とか「ベッドヘッドの位置からいえば、朝日が眩しいからハイサイドにしよう」のような表現です。

そして、そういう型番を持ち出す年長者は全員!、セミナーにおける「でき」がよくありませんでした。「でき」は型番を口にしない若手たちの圧勝でした。各回のセミナーのテーマは様々でしたが、すべてにおいて型番を口にする人たちの能力は劣っていました。(この人たちも最初からそうだったのではなく、学習すべき内容を間違えたまま年をとったのでしょう。そのせいで、プロではなく悪い意味での型番オタクになったともいえるでしょう。そのような職場においては、現時点で有能な若い人たちも悪い方向に年をとる恐れが十分にあります。実際にセミナーを頼まれたとき「内容は何でも良い。うちの連中は建築に興味を示さないので、そこを何とかしてほしい」と言われたのでした。そしていつしか建築に興味を示さない人たちはセミナーから消えていきました。その点では、意欲のある若手メインのセミナーになり、若手が年長者に気を遣う必要がなくなり、自由闊達な意見を出せる楽しいセミナーになりました。)

年長者が日常的な業務で用いる型番をうっかりと口にしたのであればよいのですが、型番を口にするときの彼らの得意満面の表情からは、うっかりではなく、あえて型番を言っている雰囲気がぷんぷんと漂っていました。悪い意味でのオタクそのものです。専門的な分野において隠語を使い合うのがプロの証だと認識する人がいます。確かに、そのハウスメーカー内部に閉じた場合は型番と仕様がしっかり頭に入っていて、正確さを確保するために型番で伝えることは業務に役立つでしょうが、それによって知識のない若手と年長の自分を差別化できると思っているなら愚の骨頂です。

もちろん、相手に通じない言葉をうっかりと使うことは誰にでもあります。そのとき、相手の反応に応じて適切な表現に言い換えられるかどうかで、その人の能力や人柄が計れます。相手が理解できない言葉を使い続ける人は、自分を高める努力をせず、相手が理解できないことを自分は知っていることによって、つまりその人自身に閉じた世界の中で相手を貶めることによって自分の位置を維持しようとしているわけです。

これと似たケースを他でも単発的に経験してきましたが、このセミナーにおいてあまりにも顕著であったので、その後「それについて詳しくないことが明白な相手に対して型番を持ち出す人はできない人である」というレッテルを貼ってみることにしました。オタク同士の会話では型番による会話が成り立つようですが、それは彼らに閉じた世界だから問題も疑問も感じません。オタク対非オタクとの会話において型番を持ち出すオタクが嫌がられように、他の世界の人と話すときに自分の世界だけでしか通じない言葉を使うのは、本人たちの主張がどうであっても、広く通じる言葉で説明できるような能力がない、いわゆる「できないやつ」です。

言いたいことを一般化できれば誰にでも通じる言葉で言い表せるはずなのに、あえて相手が知らない用語を使うことによって優位に立とうとする人はそもそも信頼や信用の対象ではなく、敬意をはらう対象でもありません。このことはわざわざこうやってブログに書くまでもない一般認識であろうと思いますが、あえて書いたのは、つい最近、これにかかわる出来事があったからです。

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1年前に、小さな中古屋で車を買いました。気に入っている車の大修理が必要になり修理の日程を決めた直後に、ふとした興味で覗いた中古車ネットで同じ車種が修理費と同等の価格で出ているのを発見しました。年式が数年新しく走行距離も少なかったので、慌てて電話してアポを取り、翌朝、妻と見に行きました。その結果、修理をやめてこの中古車を買いました。ここで、上記にかかわるできごとがありました。

この中古屋の店主は、妻と私との会話の中で車の型式を繰り返し持ち出しました。xxxx年式のように言ってもらえれば分かる程度の知識は持っているし、保険手続きの都合で自車の型式はうろ覚えながらに知っていますが、その他の車の型式まではフォローしていません。「そのnnnnという型式はxxxx年式のことですか?」のように質問しながら会話を進めて型式と実物との対応がわかりましたが、こちらがxxxx年式のこれこれと言っても、あちらは型式を返してくるばかり。ついでに言えば、型式を口走るだけでなく、店での会話の半分以上が店主の自分語りであり、私たちの話を我田引水な捉え方しかしないことにも辟易しました。

もちろん、ある物を正確に言い表すために型式を言うのは正しいことです。しかし、そのとき言及していたのはたった2台の車だからあえて型式を持ち出して一般化して語る必然性はないし、それ以前に異文化が遭遇するときは互いに共通して通じる表現を用いるのがマナーです。だからこの店主は信頼のおけない人物だと心の中で認定しました。客観的な車選びの観点からは、この中古屋には整備工場がないのも大きなデメリットではありましたが、整備はどこでもできるので修理費用と天秤にかけた結果、購入に至りました。

さて、車を買ったことがある人はご存じの通り、いろいろな書類の記入が必要です。店主の都合で、その日の夕刻、我が家に店主が訪れることになりました。店で注文書を書きいていたとき、私が書いた住所を見た店主が「お金持ちが住む地域だ」と言いました。昔は田んぼだった地域ですが、いつしか生活が便利で文教地区と化した結果、地価は安くない一体で、たぶん田畑を売って建てたであろう豪邸もありますが、どちらかというと狭い敷地に小さな家を建ててつましい暮らしをしている人が多いのが事実です。商談中、我が家にはもう1台車があるので、買い換える車の出費を少しでも抑えたい旨を伝えました。車種を問われたので答えたところ(外車)、「それはお金がかかる」とか「お金がうなっている」などと言われました。この車はこれまで乗った国産車と同等以下の維持費で賄えています。店主はその他にも、自分の店は他より安いその理由は云々、他で買ってもらえないような車でも○万で買い取れる云々など、お金に関わる話ばかりで車自体に関わる話の割合は僅かでした。

夕刻、店主は約束より遅れて我が家を訪れました。事前に連絡があったから遅れたこと自体は別に気にしませんでしたが、その連絡も自分がこれやあれやしていて大変だけど頑張っているというような自己主張がメインで、遅れてゴメンという感じではなかったです。ピンポンが鳴ったのでドアを開けて中に通したところ、腰掛けた途端にくんくんとものを嗅ぐ仕草つきで「お金の匂いがする」と言いました。妻は他人に関して感情を顔を出すタイプではないのですが、このときは嫌そうな顔を私に向けました。「匂うほどお金があったら、自分語りが好きな人物が一人で切り盛りしている整備工場も持たないちっぽけな中古屋なんぞで買うはずない」と普通の感覚の持ち主は思うでしょうが、とにかくこの一言で再び購入を躊躇したのは事実です。でも車自体に罪はないし、我が家の現状に最適であったので非常に強い不快感をぎゅぅぎゅぅとカーペットの下に押し込んで踏み固めてから署名捺印しました。

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中古でも新車でも、私は車がもたらす新生活を第一の軸として検討したい訳ですが、この店主は直接的にも間接的にもお金に関する話題しかない人でした。雑談の中、店主の子が私の子と同じ楽器を練習していることが分かりましたが、店主の話はそのために楽器を買ったとか、高かったとか、ディテールに至るまでお金が絡む話でした。こちらとしては、その楽器でどんな音楽をやっているか話したかったのですが、、、、。ついでに言えば、ちょうどたくさんの文旦をいただいた直後だったので、店主に足を運んでもらったお礼としていくつか差し上げました。そうしたら、いきなり、どこそこの誰かにもらった文旦がどうだったとかこうだったとか言っただけだったので、店主が帰った後「だったら、あげなくてよかったね」と妻と二人で苦笑しました。

契約後、この店主のブログがあることを知りました。今後一定期間付き合うことになるかもしれないから、人となりを確認するために目を通しました。しかし、自身の閉じた世界で独りよがりばかりしている人だと感じさせる内容で、店での会話から契約に至るまでの私たちの印象の正しさを強く裏付けただけに終わりました。

納車後、不具合がいくつが見つかりました。それらは前オーナーの居住環境に依ると思われる汚れであったり、必然的な経年劣化であったり、経年劣化でやむをえない不具合であったから、中古屋には伝えませんでした。納車前に気づかなかったエンブレムの浮きがあって私は気づかずに手を切ってしまいました。でも店主が面倒くさい人物だから自分で処理しました。

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そして納車から1年が経ち、法定一年点検に出す時期になりました。上記のように店主に対して良い印象を持っていないこと、整備工場を持たないこと、遠いことが理由で、近所のガソリンスタンド経由で点検に出すことにしました。

新車を乗り続けているうちにディーラー任せの習慣になっていたので、ガソリンスタンドで点検というのは不安がありました。ガソリンスタンドでぼられそうになった経験が何度かあるので、購入後の1年間、日常の経路にないため使ったことがなかった近場のガソリンスタンドが整備を任せられそうかどうかを探っていました。その結果、安心して任せてよいと判断しました。車の受け渡しはガソリンスタンドで行いますが、地元の有名企業傘下のガソリンスタンドで、他の場所に大きな整備工場を持っています。

整備が終わったとの連絡を受けて取りに行ったときに、何カ所か経年劣化のため遠くない将来修理した方がよいと言われました。そのひとつがバッテリーで、劣化しているので早めに交換した方がよいかもしれないと言われました。購入時に、件の店主がバッテリーは新品を入れるという話だったので不思議に思いました。買い換え時、前のバッテリー(パナソニック)を一年ほどしか使っていなかったので、購入時にそれを積み替えるよう頼みましたが、店主が血相を変えて拒みました。その理由は今でも分かりませんが、店主がパナソニックなど一流の製品を付けると言うので、しょうがないかなと思って店主の希望を呑んだ次第です。

うかつにも購入後にバッテリーのメーカーを確認していなかったので、初めて確認したのは一年点検後でした。バッテリーに取付年月日を記載していて、購入時に新品だったらしいことは分かりました。走行距離も伸びなかったので傷みやすい状況だったことは確かですが、点検前の数ヶ月は前の車のときと同じように使っていたので、たった一年で交換したほうが良いという言葉に違和感がありました。また直接整備に当たったのではないガソリンスタンドのスタッフが、早い劣化の原因としてバッテリーのトレイの大きさから言えば一回り小さいサイズが付いている恐れもあると言ったので、それも気になりましたが(確かに前のは車のよりやや嵩張らない印象)、一方でそのスタッフは北国では大きめのバッテリーを付ける場合がそれでトレイが大きいのかもしれないとも言っていました。とりあえず問題なく走っているし、緊急でもないし、1年使った訳だからどうしようもなければ交換すればよいと点検時には思いました。しかし、二日後、もし適合サイズではないことが劣化の早さの原因だったら、他にも同様のケースがあるかもしれないから確認した方がよいと思いなおし、件の中古屋に適合サイズかどうか確認するために電話しました。自分で確認するより手っ取り早いと思ったからですが、これが間違いでした。

整備工場を持っている近所のガソリンスタンドに一年点検に出したことから時系列で状況説明して、「まだ自分では詳細を確認していないが一回り小さいサイズがついているかもしれないと言われた」と言った時点で、店主は私をクレーマー扱いするような言動を始めました。私は「そのように言われたので、適合サイズかどうか確認してほしい」と続けたかったのですが、言う隙を与えられません。そして店主はガソリンスタンドや整備スタッフの悪口を言い始めました。大変に不快でした。

いずれにしても「バッテリーの型番を再確認して、間違いの無いようにショートメールで伝える」と言ったのにも関わらず、よく調べもしないまま電話を二回ほどかけてきて自分を正当化することばかり(裏返せばガソリンスタンドスタッフと私に対する非難を)繰り返されました。辟易して「当初から自分で付け替えるつもりだったから、もうやめよう」と言って電話を中断しました。この店主相手では拉致があかないことは明白だし、客観的な話もできないので、バッテリーについて自分で調べ直しました。適合サイズだったので、ガソリンスタンドスタッフの「サイズが違うかも知れない」は間違いでした。

仮に異なるものが付いていたとしても、とくに問題なく走っていて交換は緊急ではなさそうだし、何よりもすでに1年使ったのだから、中古屋に対して新品交換を要求するつもりなど毛頭ありませんでした。一方、中古屋には自前の整備工場がないことから、何らかの齟齬でサイズを間違えてそれに気づかないケースがありえたと思います。そのことが懸念されたから確認してもらうだけで良かったのに、それを私が言う前におまえはクレーマーだと決めつけたようにまくしたて、知りもしない相手(ガソリンスタンドや整備のスタッフ)を悪者にしたりで、まぁ、何というか、ある意味で思っていた通りの人物であることをあらためて自ら証明してくれました。

また購入時も今回の電話でもパナソニックなど一流のメーカーのバッテリーを使っていると言っていたくせに、実際についていたのは見たことも聞いたこともないメーカー製でした。驚いたことに店主自身がどういうメーカーかよく知らないので、インターネットで検索しましたが、ほとんどまともな情報がありません。型番と見た目から画像検索してメーカーを特定し(外国の会社)、販売しているオンラインショップを探し出しました。そのオンラインショップは農業用品メインで、件のバッテリーの説明文に「農機建機用」と記されていました。不安になって「自動車に使えるかどうか」とショップに問い合わせました。そうしたら「ショップでは分からないのでメーカーに問い合わせたら、自動車には使えないという回答だった」という回答がありました。

ここでやめておけば良かったのですが、他の購入者のことも懸念されたので店主にその情報を知らせるショートメールを送りました。そうしたら、店主から電話がかかってきました。

今回もいきなりけんか腰で自己正当化マンパンチを繰り出す繰り出す、、、、。「整備工場が言うから~」、「部品商が言うから~」とうるさいので、「誰よりもメーカーの言うことが最も正しいのではないですか? だから、まずは部品商が~、整備工場が~ではなく自分でメーカーに当たってみるのがよいのではないですか? 私の問い合わせ方では伝言ゲームになっている恐れもあるから」という主旨のことを私は言いましたが、店主にとっては自分の世界の中では常に自分が正しいから(←これは万人共通のことだから問題ではない)、他の世界の人が言うことは全部間違いだ(←ここが問題)と受け取れる主張を繰り返すのみ。(ただし、その数時間後、店主を少し擁護してあげられることが起きました。私が問い合わせたショップから「メーカーから自動車にも使えると、前回の回答を撤回する連絡が来た」との連絡が届いたのです。懸念が杞憂であって良かったわけですが、私が店主に間違えた情報を与えた状態になっているのでショートメールで伝えました。面倒くさいので「返信不要」と書いておいたおかげか、ありがたいことになしのつぶてです、、、、今頃きっと自分のブログに自分がいかに正しいかを書き連ねているのだろうなと思います。そしてその中で私やガソリンスタンドが悪者にされているだろうなとも思います。)

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ところで、このバッテリーに関する店主との会話で面白かったのは、店主による「このメーカーのバッテリーはシェア世界一だ」という主張です。自分で調べているときに私もパッケージにそう表記してあるのを見ていましたが、あえて「どうしてシェア世界一だと分かるのか」と問うてみたら、店主応えて曰く「手元にある製品の箱にそう書いてある!」と自信満々の口調で答えました。きっとうまい棒をうまいうまいと食べるタイプこ大人なんでしょう。

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ということで、その道のプロ同士ではない場において型番や型式で語る人はできない奴だというサンプルがひとつ増えました。できない、という言い方は上から目線かもしれないので言い換えると、 型番や型式で語る人は 私とは異なる世界の住人です。いずれにしても、私にとっては、この一件でバッテリーの型番と性能の関係を学習できたのが収穫でした。

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上の登場人物が当事者以外の誰かによって特定されることはないでしょうが、公開せずにいました。

来月車検だという今日、出先でバッテリーが上がってしまいました。走行距離や状況は前の車とほとんど同じですが、購入後わずか2年でバッテリーが上がったのは初めてでした。JAFに依頼してチャージしてもらいました。JAFは最高です!

JAFさんに「このバッテリー見たことありますか?」と聞いてみたら、「ない」とのこと。

それはつまりどういうことを示唆するのでしょう。このメーカーのバッテリーは決して上がらないのか、ここのメーカーのバッテリーは日本ではほとんど使われていないのか?

事実は分かりませんが、上に書いた一件から、私は後者ではないかなぁと思ったりする次第です。

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【雑記】非常勤先のGoogle Classroom用バーチャルマシンをEnso OSに変更

以前記したように、非常勤先でのGoole Classroom関連処理用にLinux Mintのバーチャルマシンを仕立て使っていました。その後しばらく使ってみた結果「非常勤先で使用するPCの空き容量が割と少ない」という本質的でない理由で、Linux Mintより必要最低容量が小さなEnso OSに移行しました。

必要最低容量はLinux Mintの15GB以上に対してEnso OSは5GB以上と10GBも小さいですが、余裕を見て8GBのバーチャルマシンを作成しました。起動中は仮想メモリとして使われる分が増えるので、Linux Mintは22GB程度、Enso OSは12GB程度を食っています。

Linux Mintでの試行を通して、私が行う作業においてはGoogle Drive接続は必須ではなくブラウザのアクセスで十分であること、Linux Mintの特徴であるウェブプリもなくても困らないことが分かったので、使用容量が小さいというだけの理由でEnso OSに切り替えても差し支えなかったのは幸いでした。

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ところで、Enso OSを知る前にZorin OS LiteとQ4OSを試しました。両者に有意な差はありませんでしたがなんとなくQ4OSの方が好みだったので、Q4OSで行くことに決めました。そして自分のPCで作ったQ4OSのバーチャルマシンのクローンを非常勤先のPCにコピーして開こうとしたら、I/O関連らしいエラーで起動中に止まります。非常勤先のPCでQ4OSを最初から作ればよいのですが、その時間がないので断念し、他の軽めのUbuntu系Linuxを探していてEnso OSにたどり着いた次第です。

Enso OSのクローンは問題なく起動しました。年内の授業は昨日で終了したので、バーチャルマシンを削除してから帰宅しました。削除した理由はセキュリティ対策です。バーシャルマシンごとバッサリと削除できるのはセキュリティ上の大きなメリットです。

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【雑記】Peugeot 207CCのヘッドライト交換

※207CCの話ですが、他の207シリーズも同様だと思います。

我が家の1台目(1代目ではなく1台目)のプジョーは学生時代の貧乏旅行で訪れたパリの百貨店で購入したペッパーミルです。当時、プジョーは元々はペッパーミルなどを作っていた会社だと知らなかったので自動車生産の副産物かな?と思いつつ、「これなら安くプジョーが手に入る!、人生最初で最後のプジョーだ!」と奮発しました。30数年経過した今でも現役です。

2台目のプジョーは中古で買った2011年式の207CCです。購入当初からヘッドライトがあまり明るくないのが気になっていましたが、夜間走行がほとんどないのでそのままにしていました。その後、所有する別の車の大修理が必要になり、検討の結果、買い換えました。この車はHIDが標準装備で、とても明るく、207CCの方がものすごく暗く感じるようになりました。もともと時期が来たら(=製品が増えて価格が手ごろになったら)LEDに変えようと考えていましたが、車検対応や外国車特有の玉切れセンサー対応がしっかりと明記されている製品はバカ高いので断念しました。HIDもよいのですが自力で交換できそうにないので、「通常より1.6倍明るい」と宣伝しているフィリップスのビジョンプラスという普通のハロゲンランプに交換することにしました。しかし交換作業が億劫で、欲しいものリストに入れたまま数か月以上放置していましたが、たまたま先日のブラックフライデーセールで値下がりしたので購入しました。

Main beam(ハイビーム)用=H1-55W

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Dipped beam(ロービーム)用=H7-55W

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作業は、手を入れる隙間が狭いため「とても簡単」であったとはいえませんが、説明書通りの手順で「わりと簡単」に交換できました。電球につながっているプラグを引き抜くときは「これ以上力を入れたら壊れるのではないか?」と思いつつグイグイグイグイと引き抜きましたが、大丈夫でした。作業全体における注意点は、手探りでランプを突っ込むので交換前のランプを抜くときに電球の上下(←説明書に記されていない)を確認しておくことと、手の保護をしておくことです(私は軍手をはいていましたが、右側の交換時にウォッシャー液タンク入れの蓋の把手で手の甲をむいてしまいました。ウォッシャー液タンクの蓋を開けて把手を横っちょにずらしておくことを勧めます)。

肝心の交換結果は、測定したわけではないので情緒的な評価ですが;

暗い道に走り出した瞬間にとても明るくなったことを実感できました。商品説明「1.6倍明るい」の測定方法は不明であるものの、気持ちの上では「1.6倍」の信ぴょう性を感じます。

失敗しても悔しくないように最安の3300Kを買ったので、白っぽい光の車が大半の現在においてはややノスタルジックな色合いです。単に好みの問題にすぎませんが、もっと白っぽい光の上位モデル(4300Kのクリスタルビジョンとか5000Kのダイヤモンドビジョン)にしてもよかったかなと思います。

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【雑記】2001年宇宙の旅を早回しで見た

Amazonプライム の特典ビデオはとても楽しめます。映画を探しているとき『2001年宇宙の旅』を見つけ、ふと思い出しました。

中学か高校のころから『2001年宇宙の旅』が名作であるらしいという話は聞いていました。1982年にPlayboy誌に鳴り物入りで掲載された(と記憶している)ので『2010年宇宙の旅』を読みました。逆順だったのが悪かったのか全く面白味を感じず、前作である2001年の方にも興味を抱けないまま十数年が過ぎました。

1990年代の後半、SFオタク氏と仕事上の交流がありました。その人が『2001年宇宙の旅』をとても褒めるので(実際には「『2001年宇宙の旅』はすごい」ということしか言わないので具体的に「どうすごいのか」知りたくなって)、ついに潮時かと思ってビデオをレンタルしました。1998年ごろだったと思います。最初のモノリスでうんざりしましたが、後学のために!と苦痛にあえぎながら早回しで見ました。

2001年宇宙の旅の原作は1951年、映画は1968年なので、ストーリーや映像の歴史的価値があったであろうことには頷けます。だから私が観た時点では陳腐化によるつまらなさはあったでしょう。しかし私が苦痛であったのは作者と私の世界観の相違によるであろう悪い意味での宗教臭さを感じたからです。

私が2001年宇宙の旅の映画を見るきっかけとなったSFオタク氏はApple盲信者でもありました。つまり私とは世界観(というより世界そのもの)が異なる人であったわけで、後年、仕事でとんでもない大迷惑をこうむってしまいましたが、いずれにしてもその人のおかげで『2001年宇宙の旅』を見る機会を得られたのは良かったと思っています。

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【雑記】ロン・カーターの大きな手の思い出

ロン・カーターが「音楽を通じた日本・アメリカ合衆国間の友好親善に寄与した」という功績で旭日小綬章を受章したとのことです。とても喜ばしいです。

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ジャズを聴き始めたころ聴いていたのはビル・エバンス・トリオローランド・ハナだったので、知っているベーシストはエディ・ゴメスとジョージ・ムラツで、初期ビル・エバンス・トリオのスコット・ラファロすら知りませんでした。だからロン・カーターも知りませんでした。その後、聴く範囲が広がってロン・カーターという名前も頭に入りました。ビッチェズ・ブリューでマイルス・デイヴィスを聴きはじめましたが、それ以前のマイルス・デイヴィスの音楽は好みではなく、したがってロン・カーターにもさしたる興味を得ませんでした。

しかしあるときロン・カーターの「ダブルベース」を聴き、いわゆる「ビビビっと来た」状態になりました。その後、いわゆる苦学生生活を終えてようやく某大学に赴任し、LDプレーヤーとLD数枚を買いました。赴任先は日本で最も緯度が高い地方で、夏至前後の長い長い夕方、雪が降る静かで長い長い夜のひとつの楽しみがLD視聴でした。その中の1枚がロン・カーターの「ダブルベース/ロン・カーター・ライブ」です。このLDはウィスキーのオンザロックにぴったり合っていて(あらためて調べたらサントリーのCMで使われていたそうです!)、グラスをカラカラとやりながら視聴していました。

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赴任して数年後、「ロン・カーターが来るけれど聴きに行く?」と年長の同僚から声をかけられました。その同僚は私が研究室や車でいつも音楽をかけていることは知っていましたが、ジャズについてもロン・カーターについても話したことがなかったのでドンピシャの名が出たことに驚きつつも、即座に「行きます!」と答えました。この演奏会の企画者が同僚の知り合いであったそうで、ロン・カーターに近い席を確保してもらえました。

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会場はあるホテルの200人程度収容の宴会場で悲しくなるような音質でしたが、実物のロン・カーターがベースを奏でる姿を眼前にしている昂揚の中で第一部が終了し、休憩時間を迎えました。同僚から「会いに行ってみる?」と声をかけられ、私は声にならない返事をしました。実はこういうケースを夢想して、件のLDとマジックペンを持参していました。ロン・カーターは第二部の打ち合わせ中だったので、遠巻きに立っていましたが、ちょっと合間ができたようだったので声をかけ二言三言話して(頭に血が上っていたので”I do love your music.”のほかに何を話したかが全く記憶にない)、厚かましくもLDとペンを差し出しサインをお願いしたら、にこやかな表情で”Thank you! Ron Carter”と書いてくれました。そしてロン・カーターは私に手を差し出しました。私の手は手袋で言えばLサイズですが、差し出されたロン・カーターの手と比べるとまるで幼稚園児の手で、そのことをちょっと恥ずかしいなと思いつつ、ロン・カーターの手をぎゅっと握り返しました。

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その後、LDの時代は終わり私のプレーヤーも壊れてしまったので、件のLDは数十枚のLPとLDと一緒に棚に並んでいます。さっきロン・カーターの受勲を知りLDを棚から取り出しました。そしてあの大きな手と、自分の手の小ささを恥ずかしく感じた瞬間を思い出しながらニヤついているとことです。

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【雑記】「分断」という不快な言葉に対して

こういうのはTwitterで呟けばよいのだと思いますが、Twitterを使っていないので;

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「違うところ」を探そうとするから分断する。だから「同じところ」を探そう。そうすれば「違い」ではなく「良さ」を評価できるようになる。

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「違い」の発見は容易。一方、「良さ」の発見は決して容易ではない。「違い」は無知識でも不勉強でも発見できるが、自分が言及しようとしている対象について知り、学ばないと「良さ」は見つけられない。

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「違い」の指摘は「自分は不寛容だ」というカミングアウトと同等である場合がある。

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「違い」を感じたとき、そう感じた要因や理由を客観的に考えた結果、自分の不寛容に慄然とすることがある。

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一匹のカニス・ルプス・ファミリアリス(=犬)が存在するシーンにおけるすべてのホモサピエンスは同じである。

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金子みすゞの「みんなちがって、みんないい。」、、、、詩の全体を読めば「みんなが良い点を持っているが、その良い点はそれぞれ異なる」という意味つまり正しい意味での「個性」を歌ったものであり、最後の一行のみを取り出して「人と違うことが良いことだ」と捉えるのは過ちだと私は思っている。「(相手の)良さ」につながらない「(相手と自分との)違い」ばかりを見ていると分断が生まれる。

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「良さ」ではなく「違い」が強調される方向への社会変化は、その社会が文化的に衰退しつつあることを示唆する。

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多様性の認識とは互いに異なるものとしてその違いを指摘しあったり認め合ったりする態度ではなく、お互いの違いを熟知した上で共通項を大切にする姿勢であろうと思う。

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しばらく前から流行っている「分断」という不快な言葉に対して、上記のようなことをぼんやり考えていると、私の場合は「個性」という言葉につながっていきます。一人の個性であっても、集団としての個性であっても(この場合は特性というべきかもしれませんが)、「(他と)違うこと」ではなく「(他より)良いこと」が個性であると私は考えます。「個性」に関して以前いくつか記したので、以下にリンクを載せておきます。

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