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【雑記】やらなくてよい権利の最大限の行使

非常勤で教えに行っている某専門学校の、ここ数年の学生から感じる日本の将来にとってよくない気質についての駄文を散発的に書いてきましたが、まとめると標題が根っこにあるのかな?と思いました。

ちなみにCADの授業で、操作に終始するのではなく設計のための使い方を教えています。操作だけだったらAIが彼らより完璧にやる時代が目と鼻の先だから、人間でなければできないことを織り交ぜて指導しているわけです。

本題に戻りますが、最近の学生たちの気質というか行動というか、それらすべてが「やらなくてよい権利を最大限行使すること」に集約できるような気がします。彼らが意識的にそういうポリシーで生きていると私は主張したいのではなく、外から見ているとそのように見えるということです。過去の記事に記したことですが、たとえば以下のようなことです。

  • 指示されたことは、それなりにやる。
    「それなりに」と書きましたが、これは「完璧ではない場合が多い」というようなニュアンスです。
  • 指示されなかったことは、やらない。
    たまに「これもやった方が良いですか?」という質問を受けます。いつも「君はどう思う?」と聞き返します。そうしたらほとんどの場合「やった方がよいと思います」と答えるので、「だったらやればよいのではないかい?」と疑問形で返すと、「そうですね」と口では言いながらも「余計な質問をしてしまった」とでも言いたげな顔を見せた後、渋々とやり始めたり、早々に荷物をまとめて帰宅したり、、彼らの中にあるのは「指示されたことをやりとげなければならない」ではなく、「指示されなかったことをやってはいけない」という感覚のようです。こういう感覚は、SNSで時々流れている小学生の算数の回答の書き方の例外を許さない指導や、文科省が気にしなくてよいと言っているのに漢字のとめやはねを強要する指導、コンクリートのごとく型枠に流し込んでガチガチに固める教育によって、子供時代に植え付けられてしまったのではないかと思います。
  • 課題や資料の行間を読まない
    ある時「行間を読むといろいろ見えてくるよ」と今年担当の学生としては珍しく自発的にいろいろやる学生にいったら、「ぎょー、か、ん???」と怪訝な顔をされました。「New Tricks」の登場人物たちがよく口にする「Bollocks!」はこういう時に使えばよいのかと思いました。
  • 単にサンプルを示しているだけなのに、そのサンプルと全く同じことをやろうとする。
    課題の意図を掴めたら「サンプルのように」やればよいことが分かるはずなのですが、これも上に書いたような子供時代に受けたコンクリート打ち教育のせいではないかと思います。見込みがありそうな学生には「同じようなことができればよいのだよ」と言うと、ほぼ100%「そうなんですか?!」という驚き声が返ってきます。ただし「同じようなこと」という言い方は実際にはとても危険で、見込みがない学生にうっかり言うと、たとえば「一定の角度で回転させる練習」なのに適当に回転させただけで満足したり、、、。だから、少なくとも例と全く同じことができることも大切ではありますが、同じことをやらせるならロボットやAIの方が速くて正確です。
  • そんなこんなで「適当に」という言葉が通じない。
    このままではこいつら10~20年後にはロボットやAIに居場所を奪われているだろうなぁと思うので、そうならない方向に向くように指導しているつもりではありますが、コンクリートの強度が数十年以上維持されるように、彼らが受けたであろうコンクリート打ち教育の強度も強く、「適当に」は通じません。なお「適切に」は難しくて分からないようだと経験的に感じているから「適当に」という表現を用いるわけですが、正しい意味の「適当」ではなく、スラング的な「テキトー」をやられるケースが少なくないです。そこで「いい加減にすればよい、という意味ではなく、このようにすれば間違いではないというようにするのだよ」と付け加えることが多いです。
  • 自分で「分からない」と感じたら条件反射で、かつ、偉そうな態度で質問する学生が増えている。
    この手の質問は100%、課題や資料の読み落としや説明用動画の見落としが原因です。分からなかったとき、自分が読み落としたり見落としたりしたとは露とは思わないようで、自分が間違えるような資料や動画を作った相手を非難するわけです。こういう学生は当然ながらオンデマンド式のオンラインでは自力でできるはずがないから、対面受講するので、まぁ教室はなかなか大変です(一方でさぼり屋たちはオンライン受講すると言ってさぼってくれるので、最悪の学生たちが教室に来ないのはありがたいです)。

カテゴリー:雑記
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