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【教育】 いまだに、手書きかCADかという愚問が?

ときどき「手書き CAD」という検索キーワードでこのブログに到達する人がいる。

いまでも、「手書きかCADか?」という教育上の疑問を持っている人が存在するのだろうか?

手書きかCADか?という問いがいかに愚かな問いであるかについては、このブログだったかどうか忘れたが、すでに書いたような記憶がある。それはさておき、課題を切り分ければ、このような愚問は出てこないと思う。

切り分けとは、道具の使い方の教育と、設計の教育は別であるという認識である。

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手書きで製図できる能力は、現時点では建築士試験の実技で必須であるので、当然身につけた方がよい。

また、CADで製図できる能力は、実務では必須である。

つまり、製図能力については、手書き、CADを問わず必要であるのが現状であるので、教育機関ではどちらも教える/学ぶ必要があると考えるのが自然だろう。

そして、手書き製図とCAD製図のどちらを先に教えれば/学べばよいかについての議論は無意味である。最終的にどちらも必要なのであるから、どちらでもかまわない。

かつての職場で、ある教員が学生に向かって「CADを使って横着をしてはいけない」と言い放ったが、私は呆れるしかなかった。(20数年前は、CADを使ったことがない教員、CADに触ろうともしない人が多数派だった。)  その教員の発言は、手書き製図がもたらす肉体的苦痛や疲労を経験しなければまともな設計にならない、というような含みを持っていたように思う。たしかに手できれいな線が引けると、スポーツで何か上手くいったときのような喜びがある反面、CADからプロッタで出力した線は味気ない。しかし、その線がもたらす情報は、手書きであってもCADであっても同じである。ロットリングより烏口の方がきれいな線は引けるかもしれないが、結果として「きれいさ以外の点で同じ図面(=第三者に同等の情報を伝えることができる図面)」になるのあれば、手間がかからない道具がよいに決まっている。「CADを使って横着をしてはいけない」という人は、距離が離れた目的地に移動するときに、乗り物に乗るのは横着だ!と考えて、全行程を歩き通すのだろうか?

有名建築家の場合は手書きのスケッチや図面に値が付くことがあるが、私のような凡人建築士の場合は図面そのものが売れることはない。売れるのは図面という媒体で表現された設計である。だからどんな道具を使ったとしても、情報内容が整っている図面ができていればよい。

だから、製図能力を身につけるときは手書きかCADか?という問いは愚問である。

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一方、手書きかCADか?という問いを「設計」に関して発するのは愚問ではない。

CADが珍しかった時代は別として、当たり前のように使われている今、設計能力と製図能力の間にほとんど相関性がないことは、おそらく多くの建築系の指導者は分かっているはずだ。設計演習課題においては、仕上げ方を強制すべきではない。

私が経験的に思うのは、設計はBIMソフトで教えるべきだということである。7~8年前頃から、ベンダーが「BIM」という呼び方で差別化を図り始める前の3D-CAD や2Dだけの製図CADでは、設計は教えられない。ダメな道具を使うのは時間と労力の無駄遣いでしかない。

とはいえ、日本においては誰でも知っておいた方がよいJW_CADでの製図法を教えるのは良いことだと思う。言いたいのは、それで設計教育を行うのはやめた方が時間と労力が無駄にならなくてよいということだ。

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鉛筆をもった手を何となく動かしているときに、ふっと出てくるアイディアがある。私はそういうものの価値と可能性を肯定している。CADに限らずソフトというものは、そもそも合目的的なものであるから、脱線しにくい。だからCADしか使えないのは困りものである。私はあちこちで同じようなことを繰り返して述べているが、IT化社会においては、ITを操る力に以上に道具に関して適材適所の選択ができる力こそが重要であり、可能ならば学生時代に身につけさせてやりたい力である。

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プレゼンテーションにおいてはどうだろう?

CADも手書きも、鉛筆や製図ペンのような表現道具の相異、あるいは、断面を塗りつぶす・影を描くなど表現手法の相違でしかない。だから、プレゼンテーションにおいては、CADか手書きか?などと議論することには意味がない。ケースバイケースで適切な道具と表現手法を選べば良いだけである。CADという新しい道具の出現によって選択肢が広がった一方、CADがもつ簡便さゆえ、選択における適切な判断が難しくなってきたと言える。

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