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【雑記】 軍艦島実測調査資料集

世界遺産関連で話題になっている軍艦島ですが、大学院在籍中、資料の英訳を頼まれたことがあります。たしか、海外で展覧会を開くので、そのパンフレットに掲載するためだったような気がしますが、記憶が定かではありません。

イメージ 1英訳のお礼にと、(というか、英訳に大きく関わるため必読であった)『軍艦島実測調査資料集』(1984年の初版)を頂戴しました。(英訳のアルバイト料も頂戴したと思います。この手のアルバイトはちょこちょこやっていたので、いつ何をやったかという記憶は定かではありませんが、著者からじきじきに著書を頂戴したことが何度かあります。これはその一冊。)

この資料集では、とくに、コミュニティのあり方に関する調査と分析が興味深く、没頭して読みました。その後もときどき写真を見て楽しんでいましたが、自分の手元に置いていたのでは真価を発揮できないと思い、以前勤めていた大学を辞めるときに、近代日本建築史が専門の同僚にプレゼントしました。

それらのことを、世界遺産の話題の中で思い出したので、懐かしくなって、検索してみたら、アマゾンで古本が89,000円!

あるレビューには、「軍艦島実測調査資料集」はこれまで手に入れたくても入手できない代物でした。、、、図書館や研究機関で見る程度でした。」と書かれていたし、他の誰かのブログによれば、限定1000部!

まさか、そんなレアものだとは思いもしませんでした。

いずれにしても、軍艦島が「廃墟ブーム」の中で脚光を浴びたことは、残念です。この資料集を読んで、あの環境の中で、人々がどのように生きていたかを知って欲しいと願います。それより、この資料集が発刊された1984年時点で、すでにコンクリートが劣化して危なかったはずだから、ブームだからと人が押し寄せると傷みが加速するのではないかと心配です。

なお、『軍艦島実測調査資料集』については、後年、追補版が出ているので、内容を知りたいのであれば、初版を持っている意味はあまりないですね。

【追記・2015/7/6】

世界遺産に登録されたと思ったら、さっそく旅行会社からツアーの案内メールが届きました。浅ましいことです。

この本を手にしたとき、最初は写真だけを眺めました。形態的にはたいへん興味をそそるので、ぜひ訪れたいと思いました。写真を眺めて雰囲気を掴んでから(掴んだつもりになってから)、本文を熟読しました(関連資料を英訳するのだから当然です)。そして、軍艦島に暮らした人々の生活に驚嘆しました。私自身は決してそのような生活ができないだろうけれど、そこにあったであろうコミュニティの優れたあり方に、感動でも感心でもなく「驚嘆」しました。

私はそのとき以来、人が住まない軍艦島に行っても意味がないなぁ、と思っています。軍艦島は廃墟ブームの中でもてはやされたようですが、軍艦島を廃墟として見に行くのは、そこに暮らした人々に対して礼を失したことだと思ってしまいます。(ただし、その一方で、観光客がお金を落としていくことで、維持管理の経済面が楽になるので、あながち否定はできません。保存にはいつもこのような矛盾がつきまといます。)

世界遺産登録にあたっては、隣国からクレームが付きました。歴史的背景は詳しく知らないので、それについて何か述べることはできませんが、資料集から読み取った軍艦島の生活は、国境とか国籍とか民族とか、そういうものとは無縁の、もっと根源的な人間社会のひとつのあり方を具現していたような気がします。そして、訪れる人々が、そこに暮らした人たちの生活を尊重し、何かを読み取り、いまの社会に反映できることを積極的に反映していったら、国家間の問題も薄れていくのではないかと思います。

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カテゴリー:雑記
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