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【教育】 中学校の技術家庭科の試験問題に思う

※「中学校 技術 テスト Excel (Word)」というようなキーワードでここに到達した方へ
ここでは、ExcelやWordに関する出題が不適切であり、担当教員は再考すべきだだということを述べていて、学習法を示してはいません。Microsoft Office の学習方法を知りたい方には、私が大学での指導に使っている教科書で学ぶことをお勧めします。中学生でも十分理解できる内容なので、アマゾンへのリンクを貼っておきます。

※Microsoft Officeのお勧めの教科書の紹介

Office2016で学ぶコンピュータリテラシー

Office2013で学ぶコンピュータリテラシー

Office2010で学ぶコンピュータリテラシー―Windows7対応

(以下が本文)

 

中1の娘が、初めての定期考査を受けてきた。

帰宅後、技術家庭科の試験で「なんとかリボン」を忘れていて書けなかったと言った。

家庭分野の出題かと思ったら、技術分野の方で、Microsoft Ofiice 2007以降で採用されたインタフェースの「リボン」のことだった。

私は大学で Microsoft Officeを教えているが、リボンそれぞれの名前を覚えたこともないし、教えたこともない。教えなくても、学生たちは円滑に使っている。だからリボンの名前を覚えさせる必要はないと思っている。

大学でPC教育を始めて30年以上が過ぎたが、その間にもインタフェースはどんどん変わってきた。今の中学生が大人になったとき、リボンは残っているだろうか?

ワイド画面が主流になって、画面の縦横比は、縦が狭く、横が広くなっている。現在のノートPCで主流の解像度であるHD(1366×768)でリボンを表示させると、肝心の入力画面がとても狭くなり、広い範囲を見渡すことが困難である。リボンは、現状のノートPCにとっては間違えたインタフェースだと、私は思う。(フルHDのモニターであれば、リボンはそれなりに便利であることは認めるが、それ以前のプルダウンメニューと有為な差があるとは思わない。リボンを折りたたんでおけばよいという意見もあるだろうが、出したり折りたたんだりは有意義な作業ではない。折りたたまなくても良いインタフェースデザインをすべきだと私は思う)。

さて、リボンひとつひとつの名称を憶えておくことは、Word 検定、Excel検定などの民間資格の受験には必要なのかも知れないが、義務教育で必要なことではないだろうと思う。

包丁の種類はよく知っているが、美味しい料理を作れない、では困るのである。

話を戻すと、どうしてそういう些末で無意味な出題がなされるのだろう。

それは、Microsoft Officeがデファクトスタンダードであるからかもしれない。しかし、デジュールではない。ここで、教員は、デファクトスタンダードとデジュールスタンダードの違いを知っているのだろうかという次なる疑問がわいてくる。

OpenOffice.org を採用した自治体が話題になったことがあるが、少なくともその自治体の役所では、OpenOffice.org がデファクトスタンダードである。もし、その自治体の公立学校の義務教育で OpenOffice.org を採用していたら、子供たちにとってのデファクトスタンダードは、Microsoft Officeではなく、OpenOffice.org である。つまり、その自治体の小中学生は、Microsoft Office のリボンの名称を知らなくてよいかわりに、OpenOffice.org の操作体系を覚えなければならない、、、、情報教育に、このようなローカルルールが適用されてよいのだろうか? 愛知県の子供たちはトヨタ車以外知らなくてよい、広島県の子供はマツダ車以外知らなくてよい、そういう教育があってよいのだろうか?

結局、娘が受けたテストの問題は、「一民間企業がある特定の時期に販売した特定の商品」のことを問うているわけで、

A社の2010年型洗濯機の操作パネルの右から3番目のボタンは何か?

と、同じようなものなのだ。

娘にはそんなことは間違えてもよいし、憶える必要もないと言ったが、間違えたことによって成績が下がり、ひいては内申書にも影響を与えるのだろうかと思うと、恐ろしくなる。

私は大学1年生にコンピュータリテラシーを教えているが、情報教育という名目の下に、特定ソフトの操作を教えることしかできていない学校が多いことは、残念ながら事実である。実際のところ、さまざまな制約があって特定のソフトを使わざるを得ず、そのソフトが属するジャンルの一般論だけでなく、そのソフト特有の操作法も教えなければならない。大学だから、職業教育の一環としてデファクトスタンダードを身につけることの意義がないとはいえないが、なんとかしなければならない課題だと思っている。←自分自身への反省を込めて。

さらには、小、中、高で子供たちが学んだ情報教育は、早くも大学において、ほとんどと言えるくらい役に立っていないということを、小中高の教員たちに知って欲しいとも思う。(例外、つまり、良い情報教育を受けたのだろうと感じる学生もいますが、割合はほとんどゼロに近いです。)

保健体育でも同様の出題があった。こっちは息子の方だが、以前から、

今年の Jリーグで活躍した選手は誰か?

というような問題が出されている。

音楽のテスト「去年のレコード大賞を受賞したのは誰か?」

国語のテスト「去年の流行語大賞は何か?」

理科のテスト「今年のイグノーベル賞は誰か?」

家庭科のテスト「クックパッドでいま一番アクセスされている料理は何か?」

各科目に関する時事問題ではあるということなのだろうが、政治や経済のように全国民に影響を与えることに関する時事問題ではなく、知らなくても全く困らない些末な時事問題が義務教育で出題されるのは、ピントが外れていると私は思う。

Microsoft Officeのリボンのような部分は何のためにありますか?

という出題なら素敵なのに、、、と、思います。

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